先日、NHKで岡田斗司夫氏が藤子・F・不二雄について語るというので録画したのだが。
「こだわり人物伝」「藤子・F・不二雄 ふしぎ大百科」
第4回 ひとりぼっちの宇宙戦争
http://www.nhk.or.jp/etv22/wen/summary.html#vol4異色短編集について紹介していた。
それがきっかけで、自分の蔵書から取り出して読み返してみた。
読んだのはずいぶん前だが、やはり覚えてるもんだな・・・。
「定年退食」という作品が、今読んでさらにショッキングな内容だった。
初出は1973年9月5日号のビッグコミックオリジナル。
この、僕が生まれる前に書かれた作品が。
「定年」の文字にあるように、定年退職した老人が主人公。
空を飛ぶエアカーが走っている描写から、近未来の話であることがうかがわせる。
(その割にファクシミリとか使われているが・・・37年前の作品だし)
老人はある年齢から一切の保障が受けられなくなるという「定員法」が成立している世界。
年金も打ち切られ、医者にもかかれなくなる。
70代の主人公は、定年特別延長の抽選にも漏れて悲観していたところに、総理大臣からの重大声明が。

・一次定年を56歳とします。それ以上の生産人口をわが国は必要としません。
・二次定年を57歳から72歳までとします。それ以上の扶養能力をわが国は持ちません。
・73歳以上の方々は本日をもって(中略)年金、食糧、医療その他一切の国家による保障を打ち切ります。
総理大臣がこういうことを言ってしまう世界。
なんだろう、この現実とのギャップは。
この話が書かれた時代から、37年分、作中の時代に近付いているというのに。
その根拠となる背景を公務員が説明しているシーンもあるのだが、
「生産者2.73人で1人の年金生活者を扶養するので・・・」
というセリフが。
えーと、2010年の現在、すでに3人で1人の扶養という割合になっているような。
ってことは・・・。もう未来の話じゃないんだよな。
↓この本で読める。
「ウルトラ・スーパー・デラックスマン」
もこの巻。
Amazonでもまだ在庫してるのね。1995年の本なのに。
↓こちらも合わせて読むと、老人・年金についてもっと考えさせられる。